歯学部生がホワイトニングについて解説してみた
最近、多くの友人からホワイトニングについて尋ねられることが多くなりました(特に女子)。今やホワイトニングと聞いて「歯を白くすること」ということは常識ですよね。
今回はホワイトニングに興味のある方に向けて、ホワイトニングの仕組みや種類、費用などについてわかりやすく解説してみます!
ホワイトニングとは
広い意味での「ホワイトニング」は、茶渋やたばこのタールなどの歯の表面に沈着した色素を除去したり、いろいろな原因で変色した歯を白くすることと定義します。その中には、歯を白くする効果を謳った市販の歯磨剤やデンタルリンス(あるいはマウスウォッシュ)を家庭で用いるものから、歯科医院で歯を削って人工の歯に置き換える治療まで、多くの処置が含まれます。
狭い意味での「ホワイトニング」は、歯を削らずに漂白剤(主に過酸化水素)で化学的に白くする漂白のことを指します。多くの人はこちらをイメージされてると思います。漂白法には適応症と非適応症があって万能的な処置法ではありません。変色した歯を白くするための1手段ですので、症状によっては他の方法を取らざるを得ません。
歯の変色には様々な原因がありますが、茶渋やタバコのタールなど外来色素が表面に沈着した場合には、多くの場合、プロによる歯面研磨だけで歯本来の色を取り戻すことが出来ます。
歯の漂白法の種類
無髄歯(神経を取ってしまった歯)に行うウォーキングブリーチ、および有髄歯(神経を取っていない生きている歯)に行うオフィスブリーチとホームブリーチがあり、これらを組み合わせて行うこともあります。
ウォーキングブリーチ
前歯を虫歯や打撲などの理由で神経が死んでしまい、その歯のみが変色してしまった場合にほかの歯と色を合わせる方法です。
神経が死んでしまった歯が変色するのは、歯の中にある血液中の鉄分が変色したことが原因です。したがって、歯の表面からのホワイトニングでは効果が薄いので、歯の中にアプローチして白くします。
変色してしまった歯の裏側に穴をあけ、薬剤を入れて歯の内側から白くします。歯の中から白くするのはこのウォーキングブリーチのみで、歯科医院で行われます。
オフィスホワイトニング
歯科医院の診療室内で行われる漂白処置法で、過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯面に塗って光を照射します。
1回の所要時間は約1時間程度で、通常3~6回の通院が必要です。
フィスホワイトニングの利点
- 高濃度の薬剤で一気に歯を白くすることができる
- ホームホワイトニングに比べて1回で施術前より白くなる
(※治療結果は患者様によって個人差があります。) - 満足感が得られやすい
オフィスホワイトニングの欠点
- 施術中や施術後に歯がしみたり痛みが出る場合がある
- ホームホワイトニングに比べて後戻りしやすい
- チェアタイムが長い
ホームホワイトニング
歯列全体を覆うマウスピースタイプのカスタムトレーにホワイトニングの薬剤を入れ、一定の時間歯にカパっとかぶせて歯を白くする方法で歯科医院でマウスピースを作ってもらい、自宅で行うものです。一日2時間のトレー装着を2週間続けるのが基本です。
ホームホワイトニングの利点
- 自宅で気軽に行える
- 自然な白さになる
- オフィスホワイトニングに比べて歯の白さが後戻りしにくい
- 好きな時間にホワイトニングできる
- 光線過敏症の人でもホワイトニングが可能である
ホームホワイトニングの欠点
- オフィスホワイトニングに比べて歯が白くなるのに時間がかかる
- インパクトのある白さになりにくい
- マウスピースから漏れるホワイトニング剤の味が気になる場合がある
- 自分で施術しないといけない
最近のホワイトニング傾向
より白く、より綺麗にに、そして長持ちさせる目的でオフィスホワイトニングのあとにホームホワイトニングを行う、いわゆるデュアルホワイトニングを行う傾向にあります。
オフィスホワイトニングは表層のエナメル質を白くすることが得意で、ホームホワイトニングは2層目の象牙質のホワイトニングが得意です。また、ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングの色の後戻りを防ぐ役割もあるので、より白く自然な白さが期待できます。
ホワイトニングにかかる費用
漂白処置はすべて健康保険の対象ではないので、自費診療となります。歯科医院によって費用は異なります。あくまで参考ですが一回の処置は下の表のような感じだそう。